不思議な出会い

帰り道、不思議な光景にであった。

 

曲がり角をまがると、黄色い車に何かの物体がへばりついている。

茶色っぽい色で、電灯と車の鮮やかな黄色と、見事なコントラストを生み出しているその物体。

 

よく見てみると、それは猫だった。

 

車の近くにいる、という表現も、車の上にいる、という表現も何かが違う。猫は、やっぱり、「へばりついている」。説明が難しいのだけど、後ろあしだけで立って、胴体は車に体重をかけて、ボンネットにあごをのせてくつろいでいるのだ。

前足はあごと一緒にボンネットにぐでーっとのばしていた(と思う)

 

そんなくつろぎ方をしている猫を見たことがないので、これは撮らなければ!とスマホをガサゴソやってふと目を戻すと、もう車から降りてこちらをじっとみていた。

 

猫は何をしていたのだろう。果たしてその姿勢は楽だったのだろうか。

 

でも、多分あの猫あれやるの初めてじゃないな。夜な夜な一人で人の目を盗んでやっていたんじゃなかろうか。

 

誰もいないときに、普段できないことやるのって快感だ。私も会社員時代、日々仕事が終わらなすぎて早朝に出勤し、誰もいないのをいいことにオフィスで大声出してみたりしたことを思い出す。

 

猫的には、誰もいないと思ったら隣の部署にもう一人早朝出勤してる人いて見られた!みたいな感覚だった可能性ある。悪いことしたな。

 

それにしても、へばりつく車としてきれいな黄色を選ぶ猫のセンス。自分の毛の色をよくわかってらっしゃる。

 

今日もどこかで、あの猫はカラフルな車を探して夜な夜なへばりついてるかもしれない。